おおみやパンカフェ(さいとうさん家のパン)店長




自宅の駐車場からスタートした小さなパン工房


千葉市緑区おゆみ野の住宅街の一角に、地元で人気のパン屋さんがあります。


「さいとうさん家のパン」と名付けられた小さな工房。
店主である齋藤みかさんは、お子さんの卵アレルギーをきっかけにパンの手作りを始め、好きが高じてパン屋さんにまでなってしまった方です。


5人の子育ての傍ら、独学や学校で地道にパン作りの研究を続け、自宅前の駐車場に「さいとうさん家のパン」をオープン。
10個程度のパン販売から始まったお店は、その美味しさから噂が噂を呼び、100個、200個と注文が増え続け、いつしか行列が絶えない人気店になりました。




看板メニューは「田舎パン」と呼ばれる「カンパーニュ」です。
カンパーニュというとハード系でどっしり重めなイメージですが、こちらのカンパーニュは湯だね製法を取り入れており、もちもちふわふわとした柔らかな食感が特徴。
「子供からお年寄りまで、世代を問わず食べやすいパンを作ることを大切にしている」と齋藤さんは言います。
なるべく添加物を使用しない、できるだけ国産や地元の材料を使用する、小麦の香ばしさを感じられるようにじっくりと一晩かけてゆっくり発酵させる、というシンプルなパン作りを心がけているのだそう。


素朴な味わいのカンパーニュは、いくら食べても飽きが来ない美味しさです!
カンパーニュだけで約8種類。
一番人気の「くるみ味」、和スイーツのような「抹茶と大納言味」など、味も大きさもさまざまなカンパーニュたちが店内に並びます。






 


コロナ禍に躍進! おおみやパンカフェへ


コロナ禍の2021年9月、自宅前の店舗が手狭になったことから、千葉市緑区にカフェ併設のパン屋「おおみやパンカフェ」を拡大オープンしました。
大宮ICから近く、開放的な自然が広がる、緑豊かな田園風景の中にあるパンカフェです。
のどかな風景が残る「程よく田舎、程よく都会」のこの地域が気に入っている、と齋藤さんは笑います。




鎌取駅から近く、大宮ICからのアクセスも良いおおみやパンカフェ

コロナ禍での出店とあって不安もあったそうですが、人気のパンが食べられると話題になり、テイクアウト需要も手伝って、開店当初から地域住民の方々を中心にひっきりなしにお客さんが訪れたのだそう。


店内には、カンパーニュを中心に、フォカッチャやエピ、クロックムッシュなど、さまざまな種類のパンがズラリと並びます。
「さいとうさん家のパン」がパワーアップしていることが良くわかります!




試作を重ねて開発されたというシナモンロールは大人気商品
品のある甘さともちもち食感がたまらない!


こちらも人気のコロッケパン
ころんとしたまんまるの手作りコロッケ、パン粉も自家製



併設するカフェは朝9:00開店。
モーニングとしてトーストとコーヒーなどのドリンクを提供しています。
さらに11:00からは、お好みのパンと一緒に地元産の野菜を使った新鮮なサラダ、スープ、ドリンクなどがセットになったパンプレートが食べられます。
テラス席で山並みや田園風景を眺めながら食べるパンの美味しさは、また格別です!



モーニングはオープンから11:00まで提供、窓の外には田園風景が広がる


彩りの美しいサラダやスープとともに、好みのパンを味わえるパンプレート


地域とつながる、地産地消のカンパーニュ


着実にパワーアップしていくおおみやパンカフェ。
そして、店主としての業務と5人の子育て、主婦業、それぞれを全力で楽しみながら取り組むパワフルな齋藤さん。
次々と新しいアイディアを形にしていく原動力はどんなところにあるのか、聞いてみました。


「やはりお客様の『美味しい!』『感動した!』という生の声が励みになります。
新商品は最初に家族に食べてもらい、遠慮のない率直な感想をもらいます。
お客様に受け入れられるかどうかは、やはり家族の感想が一番のヒントになります。
ウソのないパンを作ることと、追及する気持ちを失わないことは、いつも気をつけています。
食べてくれる人を笑顔にするにはその2つが重要だと思っています」。


パンやお店のことを語ってくださる表情はいつも柔和で朗らかですが、その裏には「パンを食べて笑顔になってもらいたい」という初心と、確固としたパン作りへの信念があるようです。


最近、「竹炭パウダー」を練り込んだという変わり種、真っ黒なカンパーニュも開発。
千葉市緑区では繁殖して荒れてしまった竹林の整備が進んでおり、この伐採された竹を活用して、「地産地消」のカンパーニュが考案されたのだそう。
お店の定番商品になりつつあります。



今後はおおみやパンカフェの広々とした駐車場を活用し、地域の事業者の出店やコラボレーションしたイベントの開催なども考えていると、齋藤さんは意気込みます。


「いつまでも初心を忘れずに、小さな成功や喜びを積み重ねることで、大きなものを作り上げていきたい。地元の皆さんと一緒に、地域を盛り上げていくことにも貢献したいです」


店舗のオープンから3年目を迎えるおおみやパンカフェ。
日々パンを焼き、コツコツと幸せを積み重ねる齋藤さんの快進撃は止まりません。



◎レポートbyちばしん地域レポーターH


おおみやパンカフェ
千葉県千葉市緑区平山町1854-1
https://saitosanchinopan.com